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2022/07/28 コミック

『ゴールデンカムイ 31巻』の感想(ネタバレあり)

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「ゴールデンカムイ 31巻」を読みましたので、感想を書きたいと思います。
ネタバレ全開で書いていきます。

最初は、暴走する機関車とそれに轢き殺される鹿というシーンから始まります。
これから機関車内での死闘を示唆するものとなっていますね。

室内での牛山の無双っぷり。
「どうだ、強いだろ?」というセリフがかっこいいです。

鶴見中尉と尾形が車両の上に立っています。
尾形の狙いや思いについて、鶴見中尉は全てわかっているみたいです。
さすが鶴見中尉ですね。

鯉登 vs 土方の戦いが始まります。
自分のためでは無く、みんなのために迷いを捨て戦う。
ゴールデンカムイという物語を通して、一番まっすぐに成長したのが鯉登でした。
最強の武士に対して挑みます。

一方の月島は牛山に戦いを挑みます。
月島と鯉登がそれぞれ土方と牛山という最強相手に挑んでいるのが印象的でしたね。
鶴見中尉側の主人公的存在が輝いていました。

機関車に乱入してくるヒグマ。
クマも最後の決戦に参加させるところがゴールデンカムイらしいですね。
思えば、杉元達の最初の強敵はクマでした…

そして、クマと対比して書かれている杉元。
めちゃくちゃ撃たれているのに死ぬ気配が全くありません。

鯉登vs土方 月島vs牛山
それぞれの決着が着きます。
牛山さん…最後までカッコ良かったです。

クマに襲われる尾形。
「強い奴を倒すときは頭を狙わない」
という発言の直後に後ろから杉元に刺されます。
かつて杉元の頭を狙い、射殺しようとして尾形。
この二人の因縁も決着が着こうとしています

杉元との死闘の果てに追い詰める尾形。
「心臓を撃っても不死身なのか試してやる」という発言が後の伏線になるとは…

尾形を毒矢で打ち、地獄に落ちる覚悟を決めたアシリパ。
その目からは光が消えており、アシリパの決意が伝わってきます。

そして、その後の尾形の走馬灯は、本作屈指の素晴らしいシーンとなりました
欠けた人間だと思っていたが、結局のところそうなるような道を選んでいただけ。
愛してくれる人間はいてくれたのに、気がつけずあるいは気づかないフリをして殺していきました。
ずっと、列島感や罪悪感に悩まされていて、アンダーグラウンドを進んできた尾形。
これは私の生き方にも当てはまるところがあり、強く心を打たれました。
自分を愛し、人を愛して生きていかなければいけません。

杉元の気づきとアシリパの告白。ようやく二人が真の相棒になりました。
鶴見中尉に最終決戦を挑みます。

杉元vs鶴見中尉の戦い。戦いの転機が砂金を使った目眩ましとは…
ゴールデンカムイの名にふさわしい展開になっています。

権利書か遺骨かを選ぶ場面。鶴見中尉は迷わずに権利書を選びます。
最後まで気持ちがブレなかった中尉。しかし、2つの遺骨が落ちていったときには悲しい表情を見せます。
やはり妻と娘を愛していたのですね。

鶴見中尉に左胸を刺される杉元。
尾形の言葉がここで回収されます。
しかし、今回は流石に助からないかもしれません。

「愛するものはゴールデンカムイにみんな殺される」
「全部お前の責任だぞ ウイルク!!」

全ての始まりは、ウイルクと鶴見中尉が出会ったこと。二人の因縁がこの物語になったということですね。
ウイルクがゴールデンカムイを求めた結果、鶴見中尉は妻と娘を失うことになり、アシリパは杉元を失うことになる…

アシリパを救うため、機関車から投げ出す杉元。
「俺は不死身の杉元だ…」
と言い残し、鶴見中尉との最終決戦に挑みます。

そして結末。
しれっと生き残っている杉元。さすがの不死身の杉元です。

争いの種になるため、ゴールデンカムイの力を借りることを拒否したアシリパ。
その一方で、「黄金のカムイってのはそんな悪いものじゃなくて使う奴によって役目が変わるとおもんだよな」と言う杉元。
巨大な力というのは、使うものによって正義にも悪にもなるということですね。

北海道に帰ることになった杉元とアシリパ。収まるところに収まりました。
そして、クールにその場を去る白石。

月島と鯉登も良い結末を迎えたと思います。鶴見中尉との未練が残る月島とみんなを守るために戦う鯉登。
鯉登を引っ張る月島から逆の立場に最後変わったのが印象的でした。

白石は房太郎の夢を継ぎました。
黄金のカムイを良い形で使ったと思います。

最後のマッカーサーの写真。
初見ではわからなかったのですが、鶴見中尉が写っていたのですね。
まさかあの状況から生還しているとは…
ソ連から北海道を守ってみせました。

 

ついにゴールデンカムイが完結しましたね。
アイヌの文化に触れられるという意味を含めて素晴らしい漫画でした。
チタタプ、ヒンナ、オソマ、カムイ…
アイヌ文化の普及に貢献を果たしたと思います。

キャラが魅力的で、それぞれに思いや歴史ありのヒューマンドラマでした。
もはや全員が主人公です。

最初から最後まで予測できない展開が多く、終始ドキドキさせられました。

野田サトル先生、素晴らしい作品をありがとうございました。
屈指の名作として、今後も語り継がれると思います。

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